出典:日本の歴史①日本史誕生・佐々木高明著・集英社刊
日本史誕生:29頁
第1章 日本列島の旧石器時代
1 旧石器文化の探求―縄文以前にさかのぼる
《最古の狩猟民文化の系譜》
ところで、中峰C遺跡や馬場壇A遺跡の発掘によって、
日本列島でも一三~一四万年前から二〇万年前ごろに、
狩人たちの文化が存在していたことがわかってきた。
この時代は、地質学の分類でいうと中期更新世に当たる時期で、
現在のわれわれと身体つきがやや異なる旧人が生存していた時代であった。
あるいは北京原人のような原人が生活していたかもしれない。
いずれにしても、彼らはアジア大陸から、
馬場壇A遺跡や中峰C遺跡で
示されるような文化をもって日本列島にやってきたのである。
しかも、日本列島の周辺の中期更新世に属する人類の遺跡をみると、
その分布はいまのところ中国の遼寧省の南部、
ほぼ北緯四五度以南の地域に限られているという。
日本列島は南北に細長くのびるので、
アジア大陸との住来の玄関口は、
北(サハリン―北海道)と南(朝鮮半島―九州)の二つが考えられる。
しかし、北緯四五度以北に向かって開いている北の玄関口は、
寒冷な気候に支配されていたその当時はまだ開かれていなかったとみてよい。
ということは、馬場壇A遺跡や中峰C遺跡で示される最古の狩人の文化は、
南の玄関ロから日本列島へ入ってきたと考えられるのである。
とすると、宮城県中部よりももっと南西の地方で、
前期旧石器時代の、それこそ最古の狩猟民文化の痕跡が、
今後、発見される可能性は少なくないのである。
《参考》
【世界史年表1】宇宙誕生から紀元前まで
『参考ブログ』
「歴史徒然」
「ウワイト(倭人)ウバイド」
「ネット歴史塾」
「古代史の画像」
「ヨハネの黙示録とノストラダムスの大予言」
「オリエント歴史回廊(遷都)」
「歴史学講座『創世』うらわ塾」
「終日歴史徒然雑記」
「古代史キーワード検索」
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